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薬の副作用や注意事項
薬の副作用は、誰でも心配なものです。最近では、知らずに飲む方が余計心配だという患者さんも増え、十分に説明した方が副作用を早く発見でき、安全性も高まるという考えから、積極的に副作用についての情報を提供するようにしています。
すぐに受診すべき症状
特に重大な症状
次に示すような症状は、一刻を争う症状です。たいていは、何千~何万人に一人と、まれにしか起こりませんが(低血糖性昏睡は別)、場合によっては死亡する場合も有り得る症状です。以下のような症状が起こったら何をさておいても受診してください。薬を使った本人が気が付けばもちろん、周りの人が気付いた場合でも、すぐに受診してください。
- ジンマシンと同時に咳が出る:ショック症状の前兆です。
- ゼーゼー、急に呼吸困難:喘息やショックの一歩手前の症状です。
- 顔面蒼白、冷汗、ぐったりする:ショックに陥っていると考えられます。
- ケイレン:重症の中毒症状で、時には生命に危険な場合があります。心臓が不規則に拍動する場合(不整脈)や、ショックが重症になるとケイレンを起こすことがあります。
- 失神、意識不明、昏睡:インスリンや経口の糖尿病薬などによる低血糖、重症の不整脈、ショック、ケイレンなどで意識がなくなることがあります。
- 真っ赤な血やコーヒー色の物を吐く:吐血。食道、胃、十二指腸からの出血
- 真っ赤な便、赤黒い便、コールタールか佃煮のりのような真っ黒な便:胃、十二指腸、大腸、直腸からの出血
- 急激な強い腹痛:胃や腸に穴が開いた時
次のような症状は、上に述べたような緊急性はありませんが、場合によっては重大な症状になることもあります。多少の時間的余裕はありますが、やはり「すぐに受診すべき症状」と考えておいてください。
- のどの痛み、発熱、寒気:白血球が少ないとき(白血球減少症、無顆粒球症)
- 皮下出血、青あざ、歯茎からの出血など:出血を止める成分の異常が生じている可能性が大
- 尿が全く出ない:急性の腎臓不全か、尿路がつまったか
- 目や皮膚が黄色、尿が黒っぽい、尿の泡まで黄色い:黄疸の症状です。この症状の時は、重症の肝炎のことがあるので薬剤によってはすぐに受診すべき症状に入れている場合があります。
できるだけ早く医師に報告すべき症状
「できるだけ早く」というのは、放置すれば、重症になる可能性が高い場合などで、その日か遅くとも翌日早々には受診して、医師に報告し、診察を受けて、適切な処置を受けるのがよいと思われる症状の場合を指します。
たとえば、皮膚のかゆみや発疹、関節炎などの軽度のアレルギー症状は、原因の薬を中止すればそのまま治ってしまうものが多いのですが、中には重症になるものもあるので、できるだけ早く受診し、報告すべきものなのです。
(早めに)医師に報告すべき症状
この項目の症状は、先の2つの項目ほどに時間を争うような症状ではありません。しかし、使用を中止したり、量を減らす必要があったり、副作用症状を軽減するのに他の薬が必要なこともあります。あるいは、他の病気の可能性も考えて検査が必要な場合等が考えられます。すぐには重症にならないが、放置すると問題になる可能性があり、2~3日中あるいは次回受診時には医師に報告すべき症状と考えてください。たとえば、鎮痛剤を飲んでいて腹痛がしたり、足がむくんできたような場合などがこの項目になっています。
あまり心配しなくても良いが、ひどい時や長く続く場合には、医師または薬剤師に相談した方がよい症状
例えば血圧や狭心症の薬を飲んだ時の頭痛などは徐々に慣れてきて、治療を続けているうちに頭痛を感じなくなります。このような場合は心配せずに様子をみてください。しかし、長く続いたり、症状が強くて不快な場合には、医師や薬剤師に相談して、中止するか、量を減らすなど、適切な判断をしてもらってください。