部門紹介
血管造影検査
血管造影検査とは
造影剤を使用して血管の形態、血流状態を連続的に撮影することにより、動脈あるいは静脈の病変を診断する検査法です。血管性病変(動脈瘤・動脈硬化・血管の狭窄および閉塞)の診断や、脳・肝臓・四肢などの病変の診断などを目的に行われています。また、診断のみでなく、血管の狭窄部位を拡げる血管拡張術、腫瘍を栄養する血管を閉塞させる血管塞栓術などの治療も行われます。
カテーテルと呼ばれる管を血管内に挿入します。そのカテーテルの先を目的の血管まで送り、選択的に特定の血管のみに造影剤を注入して撮影を行います。血管内に直接カテーテルを挿入するため、検査室や検査器具は手術室と同じように清潔な中で行います。
検査内容
- 頭部では、脳動脈瘤や出血箇所等の有無・形態を観察し、検査や治療を行っています。
- 腹部及び骨盤部では、疾患別(出血や悪性の腫瘍)の血管の形態の観察を行い、またそれぞれに応じた治療を行っています。
- 血管内に金属コイル、スポンジ等の血流を遮断する物質をカテーテルに通して挿入し、そこから先の血流を遮断する。消化管などの出血に対しては、止血目的で出血原因の血管を塞栓させる。
腫瘍を栄養している血管を塞栓して、腫瘍を小さくする。(血管塞栓術) - 心臓では、心臓栄養血管(冠動脈)の流れ具合や心臓の動き、血管の形態等を造影観察します。狭心症や心筋梗塞、下肢血管の閉塞等も造影にて確定診断が可能です。
冠動脈や下肢動脈が狭窄している場合は、風船のついた細いチューブで狭窄箇所を拡張する治療や、金属で出来た細い筒状の金網(ステント)を挿入する治療を行います。(血管拡張術)
※24時間体制で緊急検査に対応しています。
使用装置
フィリップス社製 Azurion7 B20+15(FPD搭載型バイプレーン装置)
《フラットパネル搭載型バイプレーン装置》
- FPD搭載型バイプレーン血管造影装置により、検査効率と安全性の向上が図られます。
- FPDより高画質化(透視・撮影)を行い、有用な診断・治療に対応できます。
- バイプレーン(2管球)システムを使用することで、手技時間の短縮および被ばく低減(術者・患者)が可能となります。
- バイプレーン(2管球)システムを使用することで、造影剤の低減効果が可能となります。
※患者さんにやさしい検査が可能です。
検査や治療の手順(留意点)
- 血管造影室に入室後は、寝台に仰向けに寝ていただき、清潔な布が掛けられます。布が掛けられた後は、動脈内に直接、非常に細い管(カテーテル)を挿入するため清潔区域となりますので、体は大きく動かせません。気分が悪いとか頭が痒いとか何かありましたら、口でおっしゃってください。
※局所麻酔で行いますので、会話することは可能です。 - 局所麻酔の注射を穿刺部位に行い、カテーテルを動脈内に挿入し目的とする部位まで進めます。検査時の痛みは、この麻酔時の注射の痛みだけですので、手技による他の苦痛はほとんどありません。
- カテーテルの到達後は、造影剤を流して血管の様子の撮影や、薬の注入・器材を血管内に挿入するなどの治療が行われます。造影剤を注入すると体が熱く感じられますが、一時的なものですので心配ありません。
- 撮影や治療は何回か繰り返されます。撮影時は息止めをしていただく必要があります。
- 終了後はカテーテルを挿入した部位を止血しますので、担当の医師・看護師の指示があるまで、ベッド上での安静が必要です。止血部位に変化がありましたら担当看護師にお伝え下さい。
《心臓の血管》
右冠状動脈 左冠状動脈
《脳血管コイル塞栓術》
脳動脈瘤 脳動脈瘤 閉塞後