院長あいさつ | 富士宮市立病院 静岡県富士宮市 常勤医師・初期研修医募集中

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院長あいさつ

   まず、先の能登半島地震では、亡くなられた方々、避難生活を続けられている方々、また医療関係者の皆さまには、深くお悔やみとお見舞いを申し上げるとともに、日常の生活と医療の一刻も早い復活を祈念致します。当院は、災害派遣医療チーム(DMAT)や災害派遣ナースなどの活動を通じて被災地の医療を支援して参りましたが、今後も可能な限り支援して行きたいと思います。

   当院は、昭和20年(1945年)12月1日に開設後、昭和61年(1986年)より富士宮市立病院として現在の場所にてスタートしています。平成4年(1992年)に核磁気共鳴(MR)棟、平成15年(2003年)に南棟、令和元年(2019年)に地域包括ケア病棟が増設されました。地域包括ケア病棟は、令和2年(2020年)より令和6年(2024年)3月まで、感染対策病棟として新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者を受け入れました。現在は、一般病棟380床で運用しています。当院は、市の中心部に位置し、JR身延線富士宮駅南口から徒歩3分とアクセスは良好です。富士山本宮浅間大社にも近く、病院北側からは富士山が一望できる絶好のロケーションです。

   当院は、富士宮市で唯一の総合病院であり、富士宮市、富士市、山梨県峡南地域からの患者を広く受け入れています。理念は、(1)患者本位の医療、(2)良質な医療、(3)行政サービスという自覚を持った医療です。地域医療支援病院として周辺施設との病診連携を進め、高度先端医療を提供するとともに、二次救急には365日24時間対応して市民の健康管理に最大限取り組んでいます。当院が、地域医療支援病院として役割を果たしていくためには、人材の確保が重要です。医師の不足と偏在は、全国的な課題ですが、静岡県の中では、富士医療圏も医師不足地域に含まれます。当院の医師の確保に関しては、浜松医科大学をはじめ複数の医療機関の医局から派遣して頂いています。過去には、医師不足が深刻で診療を縮小せざるを得ず、市民の皆さまにはご迷惑をおかけしましたが、徐々に医師数が増加して現在は診療を充実させています。

    救急搬送の夜間受け入れは、いまだに一部を市外の医療機関にお願いしている状況で、まだ体制は充分とは言えませんが、奨学金の配布や学生実習の受け入れなどを積極的に行い、若手医師および看護師や薬剤師などの医療スタッフの確保に力を入れています。

    さて、COVID-19は、令和5年度より5類相当となり、R6年度には、特例措置が終了して一段落つきました。今後は、新興感染症への対策が重要ですが、当院は引き続き感染症重点医療機関として設備と診療体制を整えて、感染症患者を引き受けて参ります。次に、ますます顕著となる少子高齢化社会では、独居老人、老々介護が増え、一方では出産数の減少により周産期医療や小児医療を行う機関が不足してきます。当院は、地域医療連携室や入退院支援センターを充実させて、地域包括医療に貢献しています。特に、地域包括ケアの主眼である「住み慣れた地域で継続して充実した生活ができる」ことを目指し、寝たきりの防止や自宅での療養、認知症のケアに力を入れています。また、富士宮市で唯一お産ができる医療機関として、周産期医療、小児医療にも力を注いでいます。加えて、能登半島地震で目の当たりにした被災地での医療の困難さ、さらに救護隊の活躍は、当地区にとって大きな教訓となりました。来たる災害に対する拠点病院としても、重積を担えるよう研鑽を積んで参ります。

    今年度から医師の働き方改革関連法が施行され、労働基準法に基づく時間外労働の上限規制が導入されます。具体的には、医師の時間外労働時間が、年間960時間(月あたり80時間)に制限され、また年に5日以上の有給休暇の取得が義務づけられます。医師個人の過剰な労働を減らすことで、医療の質と安全を確保し、良質な医療を提供し続けるための改革ですが、夜間・休日の宿日直体制の維持が困難になり、救急医療や周産期医療への影響が懸念されます。

    医師不足の解消、医師の働き方改革とともに、国は、地域医療構想の実現を三位一体改革として挙げています。医療機関の役割分担を推進し、患者さまには、まずかかりつけの診療所を受診して頂き、必要な場合に病院へ紹介され、その後再び診療所や近隣の施設に戻り、管理を継続していく循環システムです。不必要な医療を減らし、医師の負担軽減とともに、医療費の節減にもつなげる改革です。そのためには、医師、看護師以外にも多くの医療、介護関係者の関わりが必要です。当院は、富士宮医師会、歯科医師会、薬剤師会や市内の介護施設、地域包括センター、市役所などとの連絡を緊密にして、地域の医療に貢献して参ります。今後とも、どうぞよろしくお願いします。

令和6年4月1日 富士宮市立病院院長 佐藤 洋

日本医療機能評価機構 認定第JC837号

出生前検査認証制度等運営委員会

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