富士宮市立病院看護部ブログ
看護部紹介
がんと闘うための嬉しいプレゼント
今や、がんは国民の2人に1人の時代、抗がん剤治療を受ける患者さんも大変多くいらっしゃいます。様々な副作用の中でも、患者さんの大きな悩みのひとつに脱毛があります。髪の毛がなくなったら、子供の学校の行事参加はどうしよう、がん治療をしていると他人に知られてしまう。外を歩けない。誰にも会えない。と病気のことで不安なうえに、さらに心痛めてしまう方も多くいらっしゃいます。容姿の変化に収まらず、日常生活に与える影響と精神的ショックは計り知れません。そんな患者さんが、がんと闘うための強い味方として、ウイッグ(かつら)があります。
昨年当院の看護部に、闘病する家族のために用意したウイッグだが、残念ながら使用できない結果となってしまった。是非、どなたか必要な患者さんに使ってもらえないだろうかと、医療用ウイッグの寄贈がありました。2年前から抗がん剤治療を受けているAさんの髪の毛はなくなり、常に帽子で過ごされていました。Aさんに、寄贈のウイッグを勧め、試着して頂くとピッタリ!Aさんの表情がパーッと明るくなりました。寄贈の経緯をお話しして、使って頂けないかと提案すると、「本当にいいんですか?わー嬉しいー!」と快諾して下さいました。後日、ご家族もみえ、「いつまで続くかわからない抗がん剤治療だし、治療費もかかるからウイッグはあきらめていた。本人にも帽子でいいんじゃない?と家族みんなで言ってたんです。でも、ウイッグをつけたら、すごく喜んで・・・有難うございました。」と涙を浮かべて話して下さいました。
ウイッグは変化した容姿への自信を取り戻せると同時に、がんと闘うための強い味方!強いては病気をやっつけるための武器にもなるのです。名乗りもせずにウイッグを寄贈して頂いた方に感謝いたします。有難うございました。
ご本人の同意を得て、掲載させて頂きました
がん化学療法看護認定看護師
武部千恵実