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富士宮市立病院看護部ブログ

ナースのつぶやき

小さな命を見送られる患者さまに出会って

今回は、今年度当院に就職された助産師さんのつぶやきです。産婦人科病棟での体験です。

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3B病棟 助産師 依田恵子

 

 今まで個人の病院で働いていた私も、死産や奇形児分娩に携わることは何度もありました。しかし、できるだけ児と母との接触を避けること、早く忘れてなかったことにすることで、悲しみを軽減させる、また奇形児は隠すものという捉え方だったかもしれません。
 こちらの病院に来て、私が対応させていただいた患者さまは、多発奇形のため、見送られることが決まった、不妊治療を続けてきてやっと妊娠された患者さま。私がお会いした時はすでに児の死を受け止めてらっしゃって、間もなく生まれる赤ちゃんの準備をされていました。心臓にも奇形があり、穴が開いていて苦しいからと、ご主人は赤いフェルトでハート形のマスコットを縫っていらっしゃいました。患者さまは、かわいいカードをわが子へ、また小さな産着も作り、本人さんのお母様は、小さな布団も手作りされていました。
 泣かない手のひらにのるほどの赤ちゃんの出生でしたが、へその緒を切り、まだ温かい赤ちゃんを母の胸の上に置いたところ、「かわいい・・・」と、血液がついた赤ちゃんをご主人と泣きながら頬ずりされました。本人さんとご主人さんだけでなく、ご家族みんなで写真を撮ったり、手形足形をとり、身長体重を測り、元気に出生した赤ちゃんと何も変わりなく・・・。
 病室に帰ってからもできるだけお母さんと同じベッドで寝て過ごしていただきました。
 今までの私の中では全く考えられない出来事でしたが、退院されて病院に挨拶に来てくださったとき、「短い時間だったけど赤ちゃんと過ごせてよかった・・・本当にありがとう」と言っていただいたとき、無理に悲しみに蓋をするのではなく、母として短い間とはいえ一緒に過ごしていただいた時間は前に進むために、とても大切な時間だったんだと思いました。

 

 

 

日本医療機能評価機構 認定第JC837号

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