富士宮市立病院看護部ブログ
ナースのつぶやき
看護の魅力
「看護師さんて 大変な仕事でしょ?」って、よく聞かれます。確かに大変だけれども「やりがいがありますよ。」と私は答えます。
人間の誕生から死に至るまで、こんなに患者さんの間近で家族のようにかかわることができるのはこの職業ならではですよね。患者さんやご家族が迷ったり悩んだりしている時に一緒に考えたり、回復を一緒に喜んだり・・・ 一生懸命にかかわることで、良い方向に進めたり、感謝されたりする時にやりがいを感じます。もしもこの職業につかなかったらできないような経験をたくさんさせていただけます。お世話をさせていただきながら、自分自身の成長にも繋がります。
看護師の一言で患者さんの苦痛を和らげたりすることもできます。私自身がかつて突然網膜剥離になり、片眼が完全に失明したことがあります。再び看護の仕事はできないかもしれないと絶望的になっていた時、手術の前日の術前訪問の時に来てくれた手術室の看護師さんの一言で救われたことがあります。「同じような手術を受けて、活躍している医師がいますよ。頑張りましょう」と優しいまなざしをもって声をかけてくれました。そうです、私が一番不安だったのは「この仕事が再びできるのか」だったんです。何も言わなかったのにピッタリと合った声かけをしてくれたのです。それまで、緊張と不安でかたくなになっていた私の心に響いて、初めて涙がこぼれました。そして、翌日、安心して手術を受けることができたのです。看護する側から、される側に立ってみて、やっぱり看護って素晴らしいなと心から思いました。治療で長い間仕事を休んでいた間も、一緒の職場の仲間が支えてくれました。おかげで、今もこうして看護の仕事を続けることができています。
看護師の仕事は休日も仕事だったり夜勤があったりするので、家族にも多くの負担をかけてしまったことも事実ですが、子供が小学校の卒業文集に「病院で働いているお母さんはかっこいい。誇りに思う」と書いてくれたこともあります。子供は親の後姿を見て育ちます。成長とともに分かってくれるようです。
看護師になって30年以上が過ぎました。たくさんの患者さんに出会い、たくさんの感動がありました。自分の生活体験が仕事に活かせ、自分の成長にも繋がる、看護というこの職業を選び、今まで続けてきて、本当に良かったと思います。
副看護部長 渡邉京子