富士宮市立病院看護部ブログ
看護学生さんへ
プリセプターとしての一年を振り返り、次年度のプリセプターに支援できること
佐野 久美子
プリセプターとなり、一年が過ぎようとしています。一年を振り返ると様々な事がありました。一年前に師長さんからプリセプターの話をいただいた時、とても悩みました。私自身、人に教えることや人前で発言することがとても苦手で、ちゃんと指導できるのか、とても不安でした。先輩スタッフに相談し、よく考え、自分の成長に繋がると思い、プリセプターをさせていただくことにしました。
3月からプリセプター研修が始まり、とても緊張していたのを覚えています。一年間、どのように新人を支援していけば良いのか学び、指導とは何か考えるきっかけとなった研修でした。私は相手に指導や注意することで、相手にどう思われるのだろうかということばかりを気にしてしまい、なかなか自分自身、相手に気持ちを伝えることができませんでした。しかし、看護の仕事は人の命に関わる仕事であり、自分の一つひとつの行動全てに責任を持たなければなりません。その重みと厳しさ、大切さをわかってもらいたい為に、時には厳しく注意しなければならない場面もありました。伝え方によっては、気分が落ちてしまったり、涙を流すこともあり、指導の難しさを改めて感じ、プリセプティにどのように伝えたら良いのか迷うことが沢山ありました。自分は伝えたつもりでも、相手がどこまで理解していて、それをどのように確認したらいいかわからず悩んだこともありました。インシデントが続いた時も、プリセプティと振り返りをし、なぜそうなってしまったのか、どうしたらよかったのかを話し、プリセプティ自身の考えを必ず聞くように心掛けてきました。プリセプティ自身の考えを聞くことによって、どこまで理解できているか知ることもできました。
また、看護の仕事だけではなく、社会人一年目のため、社会人としてのマナーも指導する必要がありました。挨拶や礼儀など、先輩や患者・家族に誤解のないよう指導するという大変さもありました。一年が経とうとしている今、自分自身、以前よりは積極的に発言できるようになっていると感じています。プリセプティとも、自分なりにコミュニケーションをとるよう心掛け、いい関係性が築けていると思います。プリセプティも、4月に比べ、できることも増え、楽しそうに仕事をしている姿をみると嬉しくなります。最近では、患者の家族とのコミュニケーションが上手にとれている姿や、心臓カテーテル検査の患者の受け持ちを任されるようになり、自信がついたようで表情も良くなり、成長を感じています。
今年度、一緒にプリセプターをしたスタッフが、歳が近い先輩スタッフだったこともあり、相談しやすく、アドバイスもたくさんして頂きました。私一人では、一年間乗り越えることはできませんでした。指導する上で悩んだとき、いつも先輩スタッフや師長さん・主任さん、教育担当の方が支えてくれました。いつも私の発言に耳を傾けてくれ、支援していただき、本当に嬉しく頑張ろうという意欲に繋がったと思います。
もうすぐ、プリセプティは看護師二年目になります。二年目もまだまだ覚えることがあり、プリセプティにとっては大変ですが、大切な時期になります。また、後輩もでき、不安や焦りもでてくると思いますが、その緊張感を持って自分なりの看護をしていって欲しいと思っています。二年目も一緒に成長していきたいです。次年度も、スタッフひとり一人が新人に関心を持ち、病棟全体でプリセプターとプリセプティを支援し、今後も共に成長できる環境作りが出来るよう心掛けていきたいと思います。