私のこころに残ったこと | 富士宮市立病院 静岡県富士宮市 常勤医師・初期研修医募集中

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富士宮市立病院看護部ブログ

ナースのつぶやき

私のこころに残ったこと

西山 真衣

 私は、なりたかったこの職業に就き1年程働いてみて、想像以上に大変な仕事であることを日々実感しています。毎日新しい出来事や学びがあり、そのすべてがこころに刻まれています。患者さんを受け持ち看護していく中で、患者さんから感謝の言葉をもらって嬉しかったこと、ミスをして叱られたこと、インシデントを起こしてしまい落ち込んだこと等、多くのことを思いだします。
 中でもこころに残っているのは、働き始めて半年ほどたったある夜勤勤務で、患者さんが急変してしまった際のことです。その患者さんはCOPDの方で、急変する数日前から少しずつ呼吸苦の訴えが強くなり酸素投与量も増えていました。私はその日夜勤でその患者さんを受け持つことになっていたのですが、遅番勤務帯の終わり頃に呼吸状態が悪化し意識レベルも悪くなり始めてしまいました。先輩たちがいち早く変化に気づき、呼吸状態を確認したり、その状態を医師と家族へ連絡をしたり、部屋移動をしたりと的確に対応し行動している中、私はただただ困惑し何をすればいいのかも分からず、指示されたままに動くことしかできませんでした。その患者さんは、日勤勤務で毎日のように受け持たせていただいていた方で、いつもケアをした際には優しく「ありがとう」と言ってくれ、毎日会話を交わしたこと、呼吸が苦しい中一生懸命トイレに降りているのを何度もお手伝いしたことなど、とても愛着のような気持ちを抱いていた方でした。その毎日のことが何度も頭をよぎり、ショックで悲しくて信じられない気持ちでした。状態が悪くなってしまったということで、他の先輩が私の代わりにその患者さんを受け持ってくださることになりました。そしてそのまま状態が改善することなく、数時間後にその方は息を引き取られました。亡くなった後の処置にも入らせていただき、お見送りまでしましたが、悲しいのに泣くこともできず、ただショックと不甲斐なさで心にぽっかり穴が開いたような気持ちでした。先輩たちは私を優しく励ましアドバイスをくださり、とても気持ちが落ち着きました。今思うと、1人でなにもできないことに焦り戸惑い、患者さんに声かけさえもまともにできていなかったと思います。
 その時のことは何度も振り返り、いろいろなことを考えました。その後も何度か急変する患者さんに遭遇しましたが、何度遭遇しても慌ててしまいます。しかし、まずは状態を把握し報告をすること、そして患者さんのために何ができるのか、どんな対応が必要なのか考えられるようになることが大切だと思います。何が起こっても、まずは落ち着いて状況を把握し、今何をすることが患者さんにとって一番必要なのか、何をしなければいけないのか、優先度や周りを見て行動できるようになりたいと思います。そのために、できなかったことは次にはできるよう、毎日学んだことをしっかり振り返っていきたいです。分からなかったことは先輩に聞いたり勉強したりし、少しずつでも知識と経験を身につけていきたいと思います。まだまだ未熟で毎日学ぶことばかりですが、前向きに一生懸命取り組み自分に自信を付けていきたいなと思います。

 

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