富士宮市立病院看護部ブログ
看護部紹介
栄養サポートチーム(NST)専門療法士
主任看護師 石川ひろみ
皆さんこんにちは。
私は日本静脈経腸栄養学会認定資格である、栄養サポートチーム(NST)専門療法士を2010年に取得しました。
NSTは欧米で1970年に誕生し、病院全体の栄養管理を行うための専任組織が設立され活動しています。日本では、一般業務との兼任という独自の方式で1998年に設立され、現在1500以上の施設で稼働しています。当院においても最初はワーキンググループでの活動でしたが、2008年から正式に委員会運営となりました。
私がNSTに興味を抱いたきっかけは、日本でのNST活動の先駆者である藤田保健衛生大学医学部教授である東口先生の「食べて治す」という講演に感銘をうけた事でした。それは、小腸には免疫細胞があり、消化管は使える限り使えというものでした。
栄養療法は、あらゆる医療分野で治療や支持療法の根幹をなすものですが、今まではあたりまえの事として、比較的軽んじられてきました。NST活動は、医師と看護師、管理栄養士、薬剤師、検査技師、理学療養士などのコメディカルがメンバーとなり、各々の専門知識を持って患者さんの栄養アセスメントを行い、最適な栄養療法を提供するチーム医療です。現在、主治医より依頼を受けて、毎週水曜日の昼休憩を利用して回診を実施し、栄養療法に関する提案を実施しています。また、NST新聞の発行を4回/年、専門職の先生を招いての講演会を1回/年実施し、患者さんの栄養アセスメントについての啓発活動をしています。
NST看護師としての私の役割は、患者さんと医師をはじめとしてコメディカルスタッフをつなぐ介在者であり、患者さんから情報収集して得られた情報を提供する立場にあります。
また、「食べる」ことは患者の基本的欲求であり、命の源です。以前、歯科医師より、入院患者の6割は清掃不良であるという鋭い指摘を受けました。「おいしく食べる」為には「食べられる口」にする事が大切であり、口腔ケアについての学習会も開催しています。
患者さんの栄養状態について困っている事があれば、遠慮なく声をかけて下さい。宜しくお願いします。